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こんにちは。uchunoteです。
ここでは2023年の集中治療理学療法士認定試験で出題された、問題番号「8」の解き方を解説します。
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集中治療理学療法士認定試験2023Q「8」 終末期の停止不可
このページの問題番号は「8」です。
問題の内容は著作権に関わる案件があるため掲載できません。
集中治療医学会のホームページにて過去問題が掲載されているので、そちらと問題番号を照らし合わせてご参照ください。
↓過去問を取得↓
このページで取り上げる問題番号「8」は「 終末期に停止ができない行為」に関する問題です。
前提となる知識
前提となる知識として、「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン ~3学会からの提言~ 」があります。
救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン ~3学会からの提言~
この提言の中に、以下のような記載があります。
2)延命措置についての選択肢 一連の過程において、すでに装着した生命維持装置や投与中の薬剤などへの対応として、
①現在の治療を維持する(新たな治療は差し控える)、
②現在の治療を減量する(すべて減量する、または一部を減量あるいは終了する)、
③現在の治療を終了する(全てを終了する)、
④上記の何れかを条件付きで選択するなどが考えられる。
延命措置を減量、または終了する場合の実際の対応としては、例えば以下のような選択肢がある。
(1)人工呼吸器、ペースメーカー(植込み型除細動器の設定変更を含む)、 補助循環装置などの生命維持装置を終了する。 (注)このような方法は、短時間で心停止となることもあるため状況に応じて家族らの立会いの下に行う。
(2)血液透析などの血液浄化を終了する。
(3)人工呼吸器の設定や昇圧薬、輸液、血液製剤などの投与量など呼吸や循環の管理方法を 変更する。
(4)心停止時に心肺蘇生を行わない。
※一般社団法人 日本循環器学会 一般社団法人 日本救急医学会 一般社団法人 日本集中治療医学会 「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン ~3学会からの提言~ 」平成26年発表 より引用
問題「8」の考察
この設問で問われている内容は「終末期の停止ができない行為」についてです。
それぞれの選択肢について見ていきましょう。
・a:ECMOを終了してよいかどうか
「短時間で心停止となることもあるため状況に応じて家族らの立会いの下に行うもの」の中に、補助循環装置が含まれています。
ECMOは補助循環装置に当たるので、終了してよいものの一つだと思われます。
・b:人工呼吸器を終了してよいかどうか
「短時間で心停止となることもあるため状況に応じて家族らの立会いの下に行うもの」の中に、人工呼吸器が含まれます。
・c:血液浄化装置を終了してよいかどうか
「血液透析などの血液浄化を終了する。」との記載がありますので、終了を許可されているものの一つと思われます。
・d:植込み型除細動器を終了してよいかどうか
「短時間で心停止となることもあるため状況に応じて家族らの立会いの下に行うもの」の中に、「ペースメーカー(植込み型除細動器の設定変更を含む)」とありますので、終了が許されているものの一つです。
・e:体位変換を終了してよいかどうか
この提言の中には体位変換についての言及はありません。
そのため、設問にあるような「停止をしてはいけない」かどうかはわかりませんでした。
その他の選択肢は条件を満たせば停止を許可されているものですので、この選択肢が正答に近いように思われます。
注意点として、停止できると記載されている行為について、安易な適用は慎むべきです。
提言にもあるように、停止する、しないにあたっては、本人(の事前意志)や家族の意志などを、医師を始めとした多職種で確認し、カンファレンス等も実施することが必要です。
まとめ
終末期の停止ができない行為は
・a:✕
ECMOは停止できる
・b:✕
人工呼吸器は停止できる
・c:✕
血液浄化装置は停止できる
・d:✕
植込み型除細動器は停止できる
・e:◯
体位変換は停止できない
よって正答はeの選択肢
となると思われます。
今回の設問は、理学療法集中治療テキストだけでは解けない問題で、集中治療医学会などから出された提言を読み込んでおく必要がありました。
ちなみに正答率は30.4で、識別指数は0.26です。
難易度は高めですが、成績上位者は解けているということです。
テキストも重要ですが、集中治療医学会が絡んでいるものは全て目を通すべきだと感じました。
誤りや改善点などありましたら、コメントにてお知らせください。
ご覧いただきありがとうございました。
【参考としたもの】
・一般社団法人 日本循環器学会 一般社団法人 日本救急医学会 一般社団法人 日本集中治療医学会 「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン ~3学会からの提言~ 」平成26年発表
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【免責事項】
※あくまで個人の見解です。誤りを含む場合もあります。
※こちらの記載内容を使用したことによる損害については一切の責任を負えません。必ず医療専門家に相談してください。
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