集中治療理学療法士認定試験2023Q「3」 ICU入退室指針

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こんにちは。uchunoteです。

ここでは2023年の集中治療理学療法士認定試験で出題された問題の解き方を解説します。

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「集中治療理学療法士 過去問題集」で検索ください。

集中治療理学療法士認定試験2023Q3

このページの問題番号は「3」です。

問題の内容は著作権に関わる案件があるため掲載できません。

集中治療医学会のホームページにて過去問題が掲載されているので、そちらと問題番号を照らし合わせてご参照ください。

このページで取り上げる問題番号「3」はICUの入退室に関する問題です。

前提となる知識

この設問で問われている内容はICU入退室指針についてです。

前提となる知識として、どのような場合にICUに入室あるいは退室するべきかについての指針が集中治療医学会から示されています。

ICU入退室指針(2023)

集中治療医学会ホームページf

→HOME→機関誌・刊行→ガイドライン・指針等→指針→「ICU入退室指針」

https://www.jsicm.org/publication/guideline.html

PADISガイドライン

また、選択肢aについてはPADISガイドラインについても知っておくべきかもしれません。

https://journals.lww.com/ccmjournal/Fulltext/2018/09000/Clinical_Practice_Guidelines_for_the_Prevention.29.aspx

※日本語版の閲覧も可能です。

問題3の考察

問われている内容はICU入退室基準についてです。

それぞれの選択肢について見ていきましょう。

・a疼痛鎮静目的の入室

上記の「ICU入退室基準」と、「PADISガイドライン(SCCM)」を確認しましたが、いずれに対しての明確な答えがありませんでした(解答には、疼痛鎮静目的は入室適応外ではないの選択肢は誤りとなっています)。

・b集中的なモニタリング・緊急処置を要する場合の入室

「肺動脈圧、心拍出量、頭蓋内圧等の測定や体温管理療法など、厳重なモニタリングを要する患者は原則的にICUで管理すべきである。 」とありますので、集中的なモニタリング・緊急処置を要する場合はICU入室基準に含まれると言えます。

・c転帰の改善が期待できない場合の入室

「たとえ重症度が高くてもこれ以上の治療効果は望めないと予測される患者のICU入室は控えることが望ましい」(ICU入退室指針p2)とのことですので、転帰の改善が期待できない場合は入室適応外といえます。

・d入退室基準を各病院の実情に合わせる

「手術件数やその種類、救急医療体制など施設の医療提供の状況とICU病床数の兼ね合いにより、ICU入退室の基準は変化しうる」(ICU入退室指針p21)とあります。各病院の実情に合わせるということです。

・e集中治療専門医の業務にトリアージを含む

「最終的なICU入退室の判断は、各診療科や患者との利害関係のない集中治療に精通した集中治療科医が行うべきである」(ICU入退室指針p2)とあるので、集中治療専門医の業務にはトリアージが含まれると言えます。

まとめ

a:× 

※公式解答では×だが上記二つのガイドライン的には△

b:○ 

集中的なモニタリングを要する場合はICU入室

c:× 

転帰の改善が期待できない場合はICUに入室させるべきでない

d:○ 

ICU入退室基準は各病院の実情に合わせて作成する

e:× 

集中治療専門医の業務にICU入退室のトリアージは含まれる

となります。

誤りや改善点などありましたら、コメントにてお知らせください。

ご覧いただきありがとうございました。

【参考文献】

・ICU入退室指針2023 集中治療医学会

・Devlin JW, Skrobik Y, Gélinas C, et al. Clinical Practice Guidelines for the Prevention and Management of Pain, Agitation/Sedation, Delirium, Immobility, and Sleep Disruption in Adult Patients in the ICU. Crit Care Med. 2018;46(9):e825-e873. doi:10.1097/CCM.0000000000003299

【免責事項】

※あくまで個人の見解です。誤りを含む場合もあります。

※こちらの記載内容を使用したことによる損害については一切の責任を負えません。必ず医療専門家に相談してください。


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